京都御所2022.5

京都御所
明治維新までの天皇のお住まい(内裏)
桓武天皇が、794年に平安京に都を移されたのが始まり。

この建物は「紫宸殿」

現存する建物は概ね1855年に造営されたもの。
南北約450m、東西約250mの方形で、面積約11万㎡である。

一般公開しているので行ってみた。

烏丸通側、蛤御門から駐車場(中立売駐車場)に入る。
3時間まで800円。以降30分100円。

少し高いが、京都御所の拝観料が無料なので、良しとしよう(^-^;

車を停めて、入口まで歩く。
京都御所は、京都御苑内にあり、広い。

平安京は、南北約5.2㎞、東西約4.5㎞の方形で、
中央の朱雀大路(現在の千本通り)により、左京と右京に分けられ、
大小の道で基盤の目のように区画されていた。

平安京の大内裏*の中ほどに、内裏があった。

*大内裏…
国家的儀式を行う施設や様々な役所があった区画。

内裏は火災に遭うと、
貴族の邸宅などが一時的に内裏(里内裏)とされた。

建礼門

現在の京都御所の場所は、土御門東洞院殿と言われた里内裏の1つ。

光厳天皇が即位された1331年から
明治天皇が東京に移られた1869年までの約500年間、
天皇のお住まいとして使用された。

この間、幾度となく火災に遭い、その都度再建が行われた。
当初は現在の敷地の半分以下であったが、
豊臣秀吉や徳川幕府による造営により、敷地は次第に拡張された。

建築様式や全体構成は時代と共に変化していったが、
1788年の消失による再建時には、江戸幕府の老中松平定信を総奉行とし、
平安の古に沿った紫宸殿や清涼殿、その他の御殿が1790(寛政2)年に造営された。

しかしこの内裏も1854年に焼失。
翌1855(安政2)年、寛政時の内裏が、ほぼそのままの形で再建された。

これが現在の京都御所である。

宣秋門

出入口は、清所門。
アルコール消毒、体温確認、セキュリティチェックをして、
番号札をもらい、見学開始。

京都御所地図。
順路(矢印)の通り、見学します(^^)/

先ほど、外からみていた宣秋門

御車寄
高位の貴族などが参内した際、儀式や天皇との対面の為、使用した玄関。
諸大夫の間、清涼殿、小御所などと廊下でつながっている。

諸大夫の間
正式な御用で参内した公家や将軍家の使者の控えの間。

身分に応じて部屋が決まっている。
建物に向かって右に行くほど身分が高く、
「虎の間」「鶴の間」「桜の間」と、襖の絵にちなんで呼ばれている。

新御車寄
1915年、紫宸殿で大正天皇の即位の礼が行われるのに際し、
場所による行幸に対する玄関として新設されたもの。

天皇が御所の南面から出入りされた伝統を踏まえて、
南向きに建てられている。

月華門

建礼門
京都御所の南向きにある正門。

かつては、即位の礼など、紫宸殿で行われる重要な儀式の時に開かれた。
現在は、天皇陛下及び、国賓が来られた際にのみ使用される。

こちらは、外から見た建礼門

承明門
奥に見えるのは紫宸殿。

紫宸殿(1855年造営)
京都御所において、もっとも格式の高い正殿。
即位の礼などの重要な儀式はここで行われた。

1868年の「五箇条の御誓文」発布の舞台となり、
明治、大正、昭和、三代の天皇の即位の礼は、この建物で行われた。

即位の礼の際には、ここの白砂の庭(南庭)に旗などが並び、
殿上には皇族、諸大臣、外国使臣などが参列した。

この景色を見た時、記憶が鮮明によみがえった。

小学校の修学旅行で来たことはあった御所だが、
説明を受けたのは、この場所だと確信した。

私達は、御所の人の説明を聞くため、この紫宸殿の庭に整列していた。
修学旅行生だけでなく、一般公募で参加したおじさん達も一緒だった。

係の人の声はとても小さく、聞き取りにくかった。

おじさん達は、「聞こえない。」「聞こえませ~ん。」
「もっと大きな声で!」と口々に言った。

すると、係の人は、
「は?聞こえない?じゃ、もういいです。終わりです!!」

そう言って、説明を打ち切ってしまったのだ!(゚д゚)!

先生方は驚いて、こう頼んだ。
「修学旅行で来てる小学生達がいるので、続けていただけないですか?」

しかし、「説明は終わりです。説明する気が失せました!」
と、係の人は帰ってしまった…。

先生方は苦笑いしながら、
「終わりみたいので、次行きましょう…(^-^;」と…。

私達は信じられず、え?ホントに終わりなの??と驚くと同時に、
京都御所の人って怖いんだな~と子供ながらに思った。

もしあの時、聞こえないと言われた係の人が拡声器などを使って説明を続けたら、
ここまで鮮明には覚えていなかっただろう。

御所の他の記憶はないが、紫宸殿の景色と出来事だけは覚えていた。

そんな思い出?のある京都御所。

「御所の人=怖い」という印象がインプットされ約30年超。
今回の見学も多少びびっていたのだが、
係の人も皇宮警察の人達も、みんなやさしかった(笑)
紫宸殿から見て左側に「左近の桜」、右側に「右近の橘」が配されている。
(写真はパンフより)

紫宸殿内にある、高御座(手前)、御帳台(奥)

即位の礼などで用いられるこれらの調度品は、
1915年、大正天皇即位式に際して制作され、
昭和、平成、そして今上陛下の即位の礼でもご使用になられた。

今回、この高御座や御帳台が見られると思い期待していたのだが、、、

紫宸殿内には入れず、
外の通路に展示してあったのは、ポスター看板。。。

仕方なく、看板を撮ってみたけど、本物みたい??

日華門

春興殿
1915年、大正天皇の即位礼に際し、
皇居から神鏡を一時的に奉安するために建てられたもの。
昭和天皇の即位礼でも使用された。

清涼殿(正面)、殿上の間(左側)

殿上の間
清涼殿の南廂にあり、昇殿を許された官人が控えていた場所。

清涼殿
平安時代中期(10世紀ごろ)から、
天皇の日常のお住まいとして定着した御殿。
現在の建物は、1855年の造営だが、伝統的な儀式が行えるように、
平安時代中期の建築様式が用いられた建物となっている。

小御所(左)、御学問所(真ん中)、御常御殿(右)

小御所は、鎌倉時代以降に建てられるようになった御殿。
江戸時代には、将軍や大名などの武家との対面や儀式の場として使用された。
また、明治維新の際、将軍に対する処置を定めた「小御所会議」が行われた。

現在の建物は、1954年に焼失したため1958年に復元されたもの。

御池庭
池を中心とした回遊式庭園。

右手に「欅橋」が架かる。
南面は州浜で、その中に船着への飛石を置いている。

御池庭の前には「蹴鞠の庭
(左側の建物:小御所、右側の建物:御学問所)
この場所で行われた蹴鞠の催しを、
御学問所から天皇がご覧になったという記録があるという。

「蹴鞠」とは、勝敗を争うものではなく、
蹴りやすい毬を相手に渡すかという精神のもと行われるもの。

やはり日本の伝統文化は素晴らしい!!

御学問所
1613年に清涼殿から独立した御殿。
御読書始や和歌の会などが行われた。

1867年、ここで明治天皇が親王・諸臣を引見され、
「王政復古の大号令」を発せられた。

御常御殿
清涼殿内に設けられるようになっていた常御所が、
1590年に建物として独立したもの。

天皇のお住まいであるとともに、儀式や対面の場としても使われた。

神器を収める剣璽の間、天皇の寝室として使用された御寝の間など、
15室からなり、すべて畳敷きになっている。

御常御殿内の襖絵
左:曲水の宴、右:蹴鞠図

御常御殿の前には御内庭

曲折りした遣り水を流して、所々に土橋や石橋を架け、
灯籠や庭石を配した風雅な御庭である。

御三間
1709年御常御殿の一部が独立したもの。

七夕などの内向きの行事に使用され、
1860年、明治天皇が8歳の時、成長を祝う儀式「深曽儀」が行われた。

京都御所は、京都御苑の中にある。

本当に広い場所で、公園内を散歩している人もいた。
近かったらウォーキングコースにもってこいだな~。

今度は、京都御苑内にある仙洞御所に行ってみたいと思う。
ただ、予約がとれるかどうかが問題だ…。

京都御所
住所:京都市上京区京都御苑3
拝観時間:9:00~16:30(冬期は16:00まで)
拝観料:無料
休み:毎週月曜日、12月28日から1月4日、行事のある日。
https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/kyoto.html

*京都御所の説明は、公式パンフレットを参考にしています。

2022年はこの投稿が最後になります。
皆さま、今年もお世話になりました。
よいお年を🎍

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京都御所2022.5” への14件のフィードバック

  1. The昭和なエピソードですね。その係の方。笑っちゃいました。
    確かに、普通に説明を受けていたら記憶もあいまいだったかもしれませんね笑
    記憶って本当に不思議ですw

    それにしても広いですね。。。京都御所の周辺は仕事で通ったことがありますが、中には入ったことがありません。。。いつか、いつか必ず行きます!!

    いいね: 1人

    1. coccocanさん、こんにちは(^^♪
      ホント、昭和だから許される?話ですよね(笑)
      その部分だけ、私の記憶に強烈に残ってました。

      御所は広いですね~。
      いつまで一般公開してるか分からないですが、もし予約制になってもネットで簡単にできますので、是非是非(*^^)v

      いいね: 1人

  2. 修学旅行のエピソードは強烈ですね。今ならあり得ない(苦笑)

    2枚目の写真見覚えがあるな~と思いました。
    地図を見たら、以前10年以上前にマラソン大会で京都に行った時、蛤御門の向かいに護王神社っていうイノシシの神社があり、足のお守りを買いに行ったんですよね。

    その後御苑の中を横切って鴨川を越えて平安神宮の方に行った記憶があります。
    でも京都御所は私も修学旅行で見学したはずなんだけど全然覚えてません(^^;

    今年も一年ありがとうございました。来年もブログ記事楽しみにしてますね♪

    いいね: 1人

    1. NAOJIさん、こんにちは(^^♪
      NAOJIさんも修学旅行で行かれたんですね。
      やっぱり、強烈エピソードは必要ですね~。
      私の記憶には、鮮明に残ってますよ(笑)

      護王神社、知りませんでした。
      足の御守り、いいですね~。
      今度近くまで行ったら、行ってみたいです(^^)/

      というか、護王神社から平安神宮って、、、すごい距離ですよ!(゚д゚)!
      歩かれたんですか?!
      やっぱりすごいです!!

      こちらこそ、NAOJIさんには、ホントにお世話になりました。
      私もNAOJIさんの記事を楽しみにしてます。

      あ、そうそう、先日、「lavi」に行ったんですが、エゾシカカレーはメニューになく、今後も提供は難しいと言われ、残念でした。
      仕方なく?チキンを食べましたが、美味しかったです。
      そして、レトルトも買ってしまいました(笑)

      いいね

  3. 詳細なる説明!勉強になりました。有難うございます。
    修学旅行時の説明者は自分を何様だと思っていたんでしょうね。私も15年ほど前に案内して貰いましたが裏話などを交えて親切丁寧でとても良かった事を覚えています。 
    仙洞御所も見学できると良いですね。
    良い新年をお迎えください(*^_^*)

    いいね: 1人

    1. wakasahs15thさん、こんにちは(^^♪
      私も記事を書いて勉強になりました(^^)/
      御所の説明の人、30年前はそうだったのか、運悪く変な?人にあたってしまったのか…(笑)
      wakasahs15thさんが行かれた時は、親切丁寧な人で良かったですね(^.^)
      仙洞御所、土日は難しそうですが、予約が取れたら行ってみたいです。

      今年もお世話になりました。
      来年もよろしくお願いいたします。
      wakasahs15thさんも、良いお年をお迎えください(*^^)v

      いいね: 1人

  4. こんばんは(^^)
    京都御所は行った事がないのでいい勉強になりました。何時か行けたら今回の記事を参考にめぐりたいです。
    説明の方は虫の居所でもわるかったのかな?今同じ事やったら大変な事になってますよ。
    良いお年をお迎えください。

    いいね: 1人

    1. saganhamaさん、こんにちは(^^♪
      ありがとうございます。
      ぜひ、ゆっくり巡ってみてください(^^)/

      虫の居所が悪かったんですかね~。
      今だったら炎上案件でしょうね(笑)

      今年もお世話になりました。
      来年もよろしくお願いいたします。
      saganahamaさんも、良いお年をお迎えください(*^^)v

      いいね: 1人

  5. 京都御所さすがに建物もお庭もステキですね( ^^) _U~~
    でもその小学生の時の思い出不思議ですよね。普通説明する人って優しい方っていうイメージだしね。ホント虫の居所が悪かったのかしらね(笑)
    こういう所の近所だったらウォーキングも楽しいだろうな~!(^^)!

    いいね: 1人

    1. astro26さん、こんにちは(^^♪
      建物もお庭も、さすがは京都御所って感じですよね(^^)/
      虫の居所が悪かったんですかね~(笑)

      ホント、近所だったらな~って感じでしたよ(^.^)
      絶対ウォーキング楽しいですよね、こういう場所だったら!!

      いいね

  6. 清涼殿以前訪問した際に、ちょうど保全中で見ることが出来ずでしたが、見られるのですね!また行ってみたいと思います。ありがとうございます。

    修学旅行のエピソード、ご説明されていた方は世が世なら、一般人は近寄れないという場所であることをある意味教えて下さったのかもしれませんね(教え方はともかくとして)。

    年末年始は是非ゆったりと旅をお楽しみ下さい!

    いいね: 1人

    1. yukitabitonさん、こんにちは(^^♪
      はい、今は一般公開中ですので、ぜひぜひ(^^)/

      世が世なら…、確かに!!(笑)
      「私が説明してあげてるのに、ガタガタうるさい、平民が!!」ってとこでしょうか(笑)

      ありがとうございます。(^_-)-☆
      yukitabitonさんも旅でリラックスしてくださいね(^_-)-☆

      いいね: 1人

  7. 詳細な説明ありがとうございました。
    このところ京都御所の近所に何度か用事があったので、周囲を何度か歩いているのですが、中には久しく入ってません。
    私も修学旅行で行った口です。が、やはり解説の説明は全然聞こえなかったなぁという記憶は私にも確かにあります。それがデフォだったのかもしれませんね。もっともやじる人はいなかったせいか?中断はされませんでしたが、なんとも酷い話ですね😅
    10数年前に春の特別拝観で入ったのが最後ですが、この記事を読んで、今度はゆっくり行ってみたいなぁと思いました。

    いいね: 1人

    1. KYOさん、あけましておめでとうございます🎍
      KYOさんも修学旅行で行かれましたか~。
      御所の人の説明が聞こえにくいというのは、あるあるなんですかね~(笑)
      私は衝撃的な出来事のおかげ?で、鮮明にその部分だけ覚えてます。
      他の記憶はありませんが…(^-^;

      段々、京都は混んできてますので、もし可能であれば、平日のがいいかもしれないですね。
      でも、御所は広いので、駐車場に車を停められれば、そこまで混んでない?かも??です(^^)/

      いいね: 1人

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