宝塚歌劇団~おすすめ1本物ミュージカル~オリジナル作品&舞台化作品7選

宝塚歌劇団
1904年創立。
世界にも例のない、未婚の女性だけの歌劇団。

私が宝塚を好きだというと、
「一度見てみたいけど、何を観たらいいか分からない。」と言われることがある。

宝塚には、歌劇団の座付き演出家が「作・演出」したオリジナル作品と、
漫画や小説など、原作があるものを「脚本・演出」した舞台化作品
エリザベートなどの海外ミュージカルを「潤色・演出」した3タイプある。
(どのタイプでもすべて、座付き演出家による演出である。)

さらにオリジナル作品や舞台化作品には、
前半がミュージカル、後半がレビューの2本立てと言われるものと、
1本の長いミュージカルを、前半後半に分けて上演する1本物の2種類ある。
(海外ミュージカルは、すべて1本物になる。)

私が初めて宝塚歌劇を観たのは、
1997年の中日劇場公演「虹のナターシャ」「La Jeunesse!」
雪組トップスター高嶺ふぶきのお披露目公演だった。

前半は、ミュージカル「虹のナターシャ」
林真理子と大和和紀の同名の漫画が原作。
後半は、レビュー「La Jeunesse!」だった。

そして、初めて本拠地・宝塚大劇場で観たのは、
2001年星組公演「ベルサイユのばら2001‐オスカルとアンドレ編」。
星組トップコンビ、稔幸と星奈優里の退団公演だった。

両作品とも舞台化作品で、
「虹のナターシャ」は2本立て、「ベルサイユのばら」は1本物になる。

そこで、これから宝塚を観たいと思っている方に、
オリジナル&舞台化作品1本物ミュージカルを、独断と偏見でランキング~\(^o^)/

2本立てランキングは→「おすすめ2本立てミュージカル7選

第1位:「薔薇の封印ーバンパイア・レクイエム-」(オリジナル作品)
(2003年月組。紫吹淳&映美くらら主演)

1本物の圧倒的1位は、「薔薇の封印-バンアイア・レクイエム」

公演中、劇場では薔薇関連のグッズがたくさん販売されており、
薔薇ジャムを買ってしまった。(父親が(笑))

作・演出は、今や日本ミュージカルを代表する演出家となった小池修一郎。
萩尾望都の「ポーの一族」をモチーフにしている。

紫吹淳扮する、永遠の時を生きるバンパイア(フランシス)が、
荒ぶる魂を封印するため、十字軍の遠征の時代から現代まで彷徨い、
世界中に飛び散った五輪の薔薇(宝石)を探し続ける。

フランシスを、月組トップスター・紫吹淳、
ジャニファー/リディア/ポーラを、月組トップ娘役・映美くらら、
荒ぶる魂を持つミハイルを、紫吹の次にトップになった、彩輝直、
クリフォード/ルイ14世を、後に月組トップになった、霧矢大夢、
ロバート/フィリップ/エミールを、後に宙組トップになった大空祐飛、
サラ/アンリエットを、後に宙組トップ娘役になった紫城るいが演じた。

フランシスやミハイルは、バンパイアなので生き続けるが、
他のキャストは寿命ある人間なので、時代によって役が変わる。

時代が変わり続けるため、十字軍の遠征、ブルボン王朝、第2次世界大戦、現代と、
見事に舞台が転換し、その時代に合わせた衣装なども楽しめる。

時代が変わる時、フランシスが、時の河を彷徨うのだが、
その時の振付けが、とても斬新で、紫吹じゃなければ滑稽に見えただろう。

ただ、ダンスが得意と言われている彼女だが、足を上げる時はいつも下駄足。
わざとなのかもしれないが、いつもそれが気になった(^-^;

退団後のバラエティでの活躍から、いじられキャラになっているが、
歌もそれなりに上手く、宝塚時代は圧倒的なトップスターだった。
宝塚時代を知ってるだけに、変ないじられ方は残念に思ってしまう。。。

「薔薇の封印」は、紫吹淳の退団公演作品だった。
紫吹曰く「ずっとやりたかった役が来たので、辞めようと思った」と。
ストーリー性のある面白い作品に巡り合えた彼女は幸せだったと思う。

ヒロインを演じる、トップ娘役の映美くららは、
宝塚史上2番目に速い入団3年目でトップ娘役に就任した。

小柄で可愛らしい感じから、どうしても少女の役しか似合わず、
大人の雰囲気の紫吹と組むと、アンバランスな感じがしていた。

しかし、この作品の彼女は素晴らしかった。
宝塚時代の映美くららを見たい人にも、この作品をお薦めする。

彼女は、十字軍の遠征の時代では、薔薇の谷の一族の娘・リディア、
第二次世界大戦中では、ポーラ、現代ではジェニファーを演じている。

時代ごとに変わる衣装や雰囲気、
役に入り込む彼女の芝居や歌を楽しめるはずだ。

荒ぶる魂を持つバンパイア・ミハイルを演じた彩輝直は、悪役が似合う人。
声が特徴的で、この作品の役は彼女に合っていたが、
月組トップになってからは、イマイチだったかな(^-^;

クリフォード/ルイ14世を演じた霧矢大夢は、本作が復帰作だった。
94年主席入団の彼女は、ダンスがとても上手い。

99年の「ノバ・ボサ・ノバ」の新人公演は伝説で、
本公演の真琴つばさより上手かったと言われているほどだ。

「薔薇の封印」では、ミュージカルスターのクリフォード(現代)と、
フランスをバレエの国にしようとする、ルイ14世(ブルボン王朝時代)を熱演。

フランシスがルイ14世にダンスを教えるシーンでは、
ずっとクルクルクルクル回っていて、すご~~い!!って思った。
当然、会場からも割れんばかりの拍手が起こった。

低音が苦手な感じはするが、歌も上手く、性格もとってもいい!!
(タカラジェンヌはファンと近い為、性格も大体ばれている(^.^))

劇場入りの時もいっつもニコニコしてるし、ファンにも優しい。
(遠巻きに見ていてそう思った。)

彼女はこの6年後に、月組のトップスターになった。
自分がジェンヌだったら、霧矢の組がいいな…(笑)

ロバート/フィリップ/エミールを演じた大空祐飛は、
リアルにカッコいい。

ロバート(現代)は明るい紺のスーツを、
エミール(第二次世界大戦中)は、燕尾服を着ていて、
スタイルの良さが際立って、それだけでカッコいい(^^♪

ブルボン王朝時代のフィリップは、ルイ14世の弟。
兄に対して反逆を起こすのだが、まあ、そういう役だしねといった感じ(^-^;

大空はカッコいいのだが、少々歌が苦手(だと私が思っている。)
下手ではないけど、声が通らないというかなんというか…。

それでも個性の強さはピカイチで、本作でも圧倒的な存在感を残している。
彼女はこの6年後に、宙組トップスターになった。

バンパイア研究家のサラ(現代)と、
フィリップの妻、アンリエット(ブルボン王朝)を演じたのは、紫城るい。

元男役であるため、他の娘役と比べて背が高い。
(娘役転向を薦めたのは、真琴つばさと紫吹淳。)

アニメ声ではあるが、声が良く通り、歌も芝居も上手い。
この作品でも、存在感を遺憾なく発揮していた。
彼女はこの3年後に、宙組トップ娘役になった。

オープニングの演出は、衝撃だった。
DVDではそこまで迫力を感じないが、やっぱり舞台は3割増しである(^-^;

座付き作曲家、吉田優子の曲も美しく、
海外ミュージカルではないのに、歌が多く、綺麗な楽曲が多い。

また、宝塚歌劇史上初の電光掲示板を使った演出も斬新だった。

ずっと再演して欲しいと思っている作品ではあるが、
今のところその予定はない。

2幕のはじめにナチスドイツのくだりがあり、それがネック?とも思うが、
賛美しているわけではなく、単なる時代背景としての演出…。
(ナチスが出てくる「Never Say Goodbye」は2022年2月再演予定。)

再演しない理由は他にあるのかもしれない。
(薔薇の封印は、芸達者な演者がたくさん必要な作品でもある。)

第2位:王家に捧ぐ歌(舞台化作品)
(2003年星組。湖月わたる、安蘭けい、檀れい主演)

エジプトの将軍ラダメスとエチオピア王女アイーダ、
そして、エジプトのファラオの娘、アムネリスの関係を描いた、
オペラ「アイーダ」をモチーフに作られた作品。

脚本・演出は、歴史物が得意な(と私が思っている)、木村信二。

ラダメスを、星組トップスター・湖月わたる、
アイーダを、湖月の次に星組トップスターとなった、安蘭けい。
そして、アムネリスを星組トップ娘役だった、檀れいが演じた。

2003年星組初演。2015年に宙組で再演された。

湖月わたるは、長身で体格が良く、ラダメスがとても似合っていた。
以前、中日劇場から帰る彼女に偶然遭遇したが、
最初は後ろを向いていたため、どこかの若手俳優かと思ったほどだ(^-^;

2015年の再演時は、宙組トップスター、朝夏まなとが演じた。
朝夏ラダメスは、似せたのか、似てしまったのか分からないが、
湖月に歌い方や動きなど、そして声まで、似てるな~って思った。

アイーダを演じた安蘭けいは、男役である。
この時は湖月に次いで2番手だったが、タイトルロールを演じた。

彼女にとって、お芝居での初の女役。
再演時は、宙組トップ娘役・実咲凛音が演じたが、安蘭のが断然良かった。

このように、本来であれば、タイトルロールはトップ娘役が演じるのだが、
檀れいは、エジプト王女アムネリス役だった。

彼女ほど世間一般の評価と、実力がかけ離れた人はいない。
「楊貴妃の再来」と、中国で称されたわけではない。

1999年に月組で中国公演を行い、帰国後の記者会見で、
当時月組トップスターだった真琴つばさが、
「檀さんの人気がすごくて、楊貴妃のようだった」とコメント。
(当時檀れいは、月組のトップ娘役だった。)

これはインタビューでのリップサービスだったのだが、
キャッチ―だったこのセリフが独り歩きし、
「楊貴妃の再来と中国で絶賛された。」と、なってしまった。

ちなみに、当時の中国のお客さん達は、宝塚歌劇のことを知らず、
(つまり、男役が主役であることを知らず、)

綺麗なドレスを着て出てくる女の人に拍手喝采だったという。
何も檀れいだけでなく、ドレスを着ていた女性に対し拍手喝采だったのだ。。。

彼女は確かに美人だが、
姿勢が悪く、首が前に出た前傾姿勢で歩く姿は、お世辞にも美しいとは言えない。
タカラジェンヌは姿勢のいい人ばかりなので、余計に目立つ。

おまけに体が硬く踊れない為、舞台上をドタドタバタバタ走り回る。
それを回避するためか分からないが、この作品以降、
彼女の出番は少なく、歌もダンスもなく、舞台を右から左へ歩くだけだった。

退団後の活躍から、
彼女は、宝塚の舞台より、映像の世界のが合っていた人だろう。

とはいえ、檀れいのアムネリスは良かった(どっちだ…(^-^;)

プライドが高く、ラダメスを一方的に愛し、
ファラオの娘という権力を使って、ラダメスが愛するアイーダを虐げる。
再演時では、怜美うららが演じたアムネリスだが、檀のが良かったと思う。

王家に捧ぐ歌は、2003年の星組と2015年の宙組でしか上演されていない。

2015年の再演時は、衣装も一新され、黄金で金ピカだったが、
それが逆に安っぽくなってしまっていた。

微妙に変更されたセリフや歌詞も、あまり良くなかった。
さらに、演者の「演じてます!」感が強すぎて…(+_+)
(DVDで確認すると明らかだった。。。)

作品の良さ、楽曲、演者などから、2003年星組公演を2位にした。

この「王家に捧ぐ歌」は、2022年2月に御園座で星組が再演する。

湖月、朝夏と、宝塚でも長身のトップスターが演じたラダメスを、
比較的小柄なトップスター、礼真琴が演じる。
合うのだろうか…と少々心配になってしまった…(^-^;

アイーダは、実力派トップ娘役・舞空瞳が演じる。
きっと素晴らしいアイーダになるだろう。

アムネリスは、有紗瞳が演じることになった。
他に人がいないので彼女だろうと推測できてはいたが、
この配役発表は、よもやよもやだ。(by煉獄)

というのも、彼女は泉州池田銀行のイメージガール。
2015年再演時にアムネリスを演じた怜美うららも、
泉州池田銀行イメージガールだったが、トップ娘役になれなかった。

つまり、有紗瞳は怜美うらら路線なのか…?
気の毒に…(+_+)

いや、決まったわけじゃないけど…、まあ、多分そういうことだろう。
「ロミジュリ」では路線娘役がやるはずのない乳母役だったし。。。
(うららは「エリザ」で路線娘役がやるはずのないマダム・ヴォルフだった。)

ま、そんなことは置いといて…、
地方公演(大劇場以外の公演)は、人数が半分になるため迫力に欠ける。
ポスターもいまいち残念というか…(個人的感想)

ただ、歌が上手い二人だから、観に行くか悩むところだ…。

*追記:見に行きました!!
「星組御園座公演~王家に捧ぐ歌」(2022年版)
(後日公開予定(^_-)-☆)

第3位:「Never Say Good-Bye」(オリジナル作品)
(2006年宙組。和央ようか&花總まり主演)

作・演出は、薔薇の封印と同じ、小池修一郎。
作曲は、ブロードウェイで有名な作曲家、フランク・ワイルドボーン。

「Never Say Good-Bye」の舞台は、1936年のバルセロナ。

ナチス政権下のベルリンオリンピックに対抗して開かれた人民オリンピックの取材に訪れた、写真家ジョルジュは、女性劇作家キャサリンと運命的な再会を果たす。
恋に落ちた二人は、スペイン内戦に巻き込まれていき…、というお話。

写真家・ジョルジュを、宙組トップスター・和央ようか、
女性劇作家・キャサリンを、宙組トップ娘役・花總まり、
元・闘牛士でファシズムと戦う民兵を、後に宙組トップになった、大和悠河、
統一社会党(PSUC)幹部を、遼河はるひが演じた。

この作品は、トップコンビの出番が多く、ソロ曲も多い。
これは、和央&花總トップコンビ時代の特徴である。

ソロ曲は、綺麗な曲ではあるが、難しい歌が多く、
それを歌い上げる和央&花總コンビは素晴らしい。
(ただ、和央の歌い方はあまり好きではないが…(^-^;)

和央ようかは、長身で手足が長く、リアルにカッコいい。
花總まりも、スタイルが良く骨格も綺麗で、立ち姿が本当に美しい。
人形のようなトップコンビ、という形容は、ぴったりだろう。

2人がこの作品で退団すると発表があった時、
「こんな地味な作品で退団なんて!」とファンは憤っていたという。

しかし、上演されてその意見は一掃された。
この作品は、2人の代表作となり、さらには宝塚に残る名作となった。

元・闘牛士でファシズムと戦う民兵、ヴィセントを演じる大和悠河は、とにかくキザ。
座ってるだけ、立ってるだけでキザ度はMAXである。
(もちろん褒めている。。。)

顔立ちも綺麗でスタイルも良く、
今はあんなとんちんかんな感じだが、当時は本当にカッコよかった。
そして、迷いなく、力いっぱい歌う破壊力!(゚д゚)!

すみれミュージアム(旧音楽学校)へ行った時、
「こんなに声楽の授業があるんだ!大和はちゃんと受けたのかな?」
と、当時の時間割を見た父親が言っていた(^-^;
(以下自粛…。)

統一社会党(PSUC)幹部、アギラールを演じたのは、
今やバラエティには欠かせない存在となった遼河はるひ。

彼女は路線ではなかったが、そこそこのとこまで行った人だった。
長身ではあるが、格好いいか?と聞かれたら返答に困ることはある(^-^;

声に特徴があり、悪役かちょっとおかしな役が似合う人だった。
アギラールは、彼女の中でも1、2を争うほど目立つ役だったかな。

スペイン内戦についてあまり詳しくなかった私には、少々ややこしかったこの作品。

しかし、ファシズムと闘う人々の愛と勇気が、数々の美しい旋律で彩られ、
作品、楽曲、演者など総合的に判断して、3位にした。

この作品は、反ファシズム(共和国派)側から見ており、
ナチスが支援している、フランコを中心とした反乱軍(ナショナリスト派)と争う。

しかし、反ファシズムである共和国を、ソビエト連邦が支援してしまい、
ファシズムにも、共産主義にもなりたくないバルセロナの人々は葛藤する。

取材に来ていただけのジョルジュだったが、
希望を失わず自由を求めて戦う市民の姿に心打たれ、自ら内戦に参加する。

ジョルジュのモデルは、戦場カメラマン、ロバート・キャパだが、
ストーリーは完全なオリジナルで、彼の人生を描いたものではない。

ちなみに、ロバート・キャパを描いた作品も宝塚で上演されている。
2014年中日劇場宙組公演「ロバート・キャパ-魂の記録」「シトラスの風Ⅱ」

ロバート・キャパを、宙組トップスター・鳳輝かなめが演じたが、
あまり面白い作品ではなかった…”(-“”-)”
(↑あくまで、個人的な感想です!!)

「Never Say Good-bye」は、宙組トップコンビ、和央&花總の退団公演で、
92期生の初舞台公演でもある。

この時、初舞台を踏んだ初舞台生が、現在宙組トップスターの真風涼帆。
そして、今やタンバリン芸人(?)として有名な、天真みちるも同期生。

DVDを確認すると、一番背が高い真風涼帆や、
元気いっぱいの天真みちるもすぐに分かる(笑)

それはさておき…、
この「Never Say Good-bye」は、2022年2月に宙組で再演が決まった。
(だから勝手に真風がこの作品で退団だと思っていた。違ったけど…。)

この作品は、男役だけでなく、娘役も重要な役どころがある。

2006年初演時は、花總の次に宙組トップ娘役となった紫城るいや、
現在、東宝で活躍している和音美桜という実力派2人の娘役がいた。

前回、宙組の「シャーロック・ホームズ」を見た限りでは、
あれほどの実力者がいるとは思えなかった。
(いや、気が付かなかっただけかも?だが…。)
→「宙組大劇場公演「シャーロックホームズ」(後日公開予定)

チケット争奪戦になると思われるこの作品。
すでに先行販売の抽選は、ことごとく落選している。
残るは一般前売だが、望みは薄い…( ;∀;)

第4位:「虞美人-新たなる伝説-」(舞台化作品)
(2011年花組。真飛聖&桜乃彩音主演)

脚本・演出は、木村信二。
原作は、長与善郎の「項羽と劉邦」

秦の始皇帝の死後、覇権を争った項羽と劉邦の戦いを軸に、
項羽と虞美人との悲恋を描いた物語。

初演は1951年、白井鐡造作・演出による「虞美人」(二本立て)だが、
本作は、原作を構成し直し、音楽・装置・衣装を刷新した一本物ミュージカル。

項羽に、花組トップスター・真飛聖、
虞美人に、本作で退団した、花組トップ娘役・桜乃彩音、
劉邦に、後に雪組トップスターになった、壮一帆が演じた。

オープニングでは、「虞美人草」の旋律にのせて、項羽と虞美人が舞う。
赤い色の虞美人草と、白い衣装の二人の対比がとても美しい。

劉邦を暗殺するため范増が企てた宴会(鴻門の会)で、
剣舞にかこつけて劉邦を暗殺するシーンがあるのだが、
危険を察知した張良が劉邦を逃がす陣形が美しく、圧倒される。

しかし、そこで殺しとけば良かったのに…なんて思ってしまった(^-^;

また、戦闘シーンでは、兵士は四方の出入口から劇場内に入り込んでくる。
客席と一体となった演出だが、コロナ禍の今では無理だろう。

真飛は、歌も上手く、宝塚的な芝居は上手い。
スーツ系、ヨーロッパ系の衣装より、中国、韓国系の衣装が合うようだ。
(2009年に大王四神記にも主演している。)

印象的なのは、項羽と劉邦が戦い、停戦するシーン。
宝塚版「ロミオとジュリエット」のように、
項羽側が青色、劉邦側が赤色と、対比の舞台も迫力がある。

しかしせっかく停戦してるのに裏切るなんて、劉邦って悪い奴だな~。
やっぱりあの時に暗殺しとかないから…って思ってしまった。

劉邦を演じたのは、後に雪組トップスターになった壮一帆。
端正な顔立ちでスーツ系が似合う人だけど、
真飛トップ時代ではその良さが生かされてなかったな…。

項羽と劉邦の違いは、軍師の言うことを聞くか、聞かないか、かな。
やっぱり人の助言を聞くって重要だね。

歴史的に見れば劉邦を応援するのだろうが、
項羽に肩入れしてしまうのは、真飛が上手いからだと思う。

虞美人を演じたトップ娘役・桜乃彩音はこの作品で退団だった。
音楽学校の頃から宝塚の女帝、花總まりに似ていると言われていた。

素顔は決して美人ではないが(←また…(^-^;)
役が乗り移ったかのような彼女の演技力は素晴らしい。

男役ファーストの宝塚において、タイトルロールで退団できるのは、
娘役にとって名誉なことなのだろう。
(「エリザベート」でトップ娘役が退団するのも同様の理由だ。)

この作品では、元雪組トップ・望海風斗が女役(殷桃娘)を演じていたり、
当時入団2年目で現花組トップ・柚香光のラインダンスが見られる。

中国物ってどうなのかなあ…って思ってたけど、
衣装も舞台も華やかで美しく、とても楽しめる作品だと思う。
(歴史の勉強にもなるしね(^^)/)

第5位:「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」(舞台化作品)
(2012年宙組。鳳輝かなめ&実咲凛音主演)

原作は、田中芳樹「銀河英雄伝説」
脚本・演出は、小池修一郎。

「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」の舞台は、
核戦争により汚染された地球を捨て宇宙へと飛び出した地球人が、
銀河連邦を成立(2801年)してから300年後の宇宙。

彗星のごとく現れた名将を中心に「銀河帝国」対「自由惑星同盟」の戦いと、
人間ドラマを壮大なスケールで描いたSF歴史物語。

宙組トップコンビ、凰稀かなめ、実咲凜音のお披露目公演。

銀河帝国の指揮官、ラインハルトに、宙組トップスター・凰稀かなめ、
ラインハルトの首席秘書官に、宙組トップ娘役・実咲凜音、
ラインハルトの親友、キルヒアイスに、凰稀の次にトップになった、朝夏まなと、
自由惑星同盟の将校、ヤン・ウェンリーを、緒月遠麻が演じた。

ラインハルト演じる凰稀かなめは、長身でスタイルが良く、軍服が良く似合う。
マントを翻す所は似合いすぎて、もう…(#^^#)

そして彼女は、金髪の鬘も良く似合う。
このポスター写真を見た時、オスカル出来そう!!って思ったら、
2年後に「ベルばら‐オスカル編」をゲット。
しかし、彼女のオスカルは、イマイチだった…”(-“”-)”

さて、SF小説であるこの作品。
出演者は軍人であるため、軍服を着ている。

宙組は長身の人が多く(175㎝以上の人がざらり)、
軍服を着て出てくると、圧倒される。

楽曲も綺麗で、ストーリーもなかなかいいと思う。
(原作を読んでいないので、原作ファンがどう思うかは分からない。)

舞台や衣装も豪華で綺麗なので、
宝塚っぽい演目を観たい人にお薦めの作品だ。

番外編1:「ベルサイユのばら2001-オスカルとアンドレ編」(舞台化作品)
(2001年星組。稔幸、星奈優里主演)

この作品は、私が本拠地・宝塚大劇場で初めて観た作品。
2階席の後ろの方の席だったけど、衝撃的で感動した。

「ベルサイユのばら」は池田理代子原作。
1974年に宝塚で上演されて以来、宝塚の代表作であるのは間違いないが、
現在の宝塚歌劇団において「ベルばら」は古典である。

2幕の途中、眠くなること間違いなし(^-^;

「ベルばら」はいろんなトップが演じ、また、いろんなバージョンがある。

「オスカルとアンドレ編」「フェルゼンとマリーアントワネット編」をはじめ、
「ベルばら」なのに、アントワネットが出演しない「オスカル編」や、
「フェルゼン編」「アンドレ編」「ベルナール編」「ジェロ―デル編」などなど…。

オスカル、フェルゼン、アントワネットまではいい。
アンドレも100歩譲ってありかもしれない。

しかし、ベルナールやジェロ―デルを主役にして面白いか??

そして、さらにやっかいなことに、「ベルばら」は、
他の作品と違って、同じ「~編」だったとしても、
再演するごとに脚本・演出が違っており、何故変更されるのか謎である。

現在の宝塚歌劇において古典であり、昭和の香りが漂う作品だが、
宝塚歌劇の入門編であり、代表作でもある「ベルばら」を見るなら、
2001年の星組公演「ベルサイユのばら2001-オスカルとアンドレ編」をお薦めする。

オスカル演じる稔幸は、この人がオスカルなんじゃないかと思うほど素晴らしい。
逆に他の役はあまり良くはなかったが…(^-^;

アンドレは役替わりでいろいろな人が演じているが、
稔の次に星組トップになった、香寿たつきが一番良かった。

アントワネット演じるトップ娘役、星奈優里は、
決して美人ではないが(←オイ(^-^;)
気品あり、気高く、この人がアントワネットなんじゃないかとさえ思った。

フェルゼン演じる、元星組トップスター、安蘭けいも美しい。
詳しくは→→「宝塚歌劇団~ベルサイユのばら

今までに何度も再演されてきた「ベルばら」だが、
くれぐれも、人や作品によって、???となることがあるので、注意しよう(^^)/

番外編2:「ザッツ・レビュー」(オリジナル作品)
(1997年花組。真矢みき&千ほさち)

真矢みきはあまり好きではなかったが(←コラ!)
この作品を見て、すごい!!と思った。
舞台で見たわけでもないのに、泣いてしまった。。。

作・演出は、植田 紳爾、さらに演出には石田昌也も加わり、
「モン・パリ」誕生70年を記念して作られたミュージカル。

「ザッツ・レビュー」の舞台は、
1934年1月に開場したが12月に閉鎖になり、生まれ変わった東京宝塚劇場。
レビューに憧れて、青春を懸けた男たちの壮大なドラマを描く。

レビュー作りに憧れて田舎から出てきた青年、春風泰平を花組トップ・真矢みき、
泰平に惹かれるレビューの踊り子を、花組トップ娘役・千ほさちが演じた。

この作品では、とにかく真矢みきに驚かされた。
圧倒的なセリフ量に、光り輝く存在感。
この人は、ザ・トップスターだと思った。

トップ娘役の千ほさちは、背が高くスタイルも良く、そして美人。
短期間で退団してしまったのが残念な人だった。

この作品は、主要キャストに、後にトップスターになった人がずらり。
香寿たつき(宝塚のみ。元星組トップ)、愛華みれ(元花組トップ)、
匠ひびき(元花組トップ)、春野寿美礼(元花組トップ)、
朝海ひかる(元雪組トップ)、瀬奈じゅん(元月組トップ)、
霧矢大夢(宝塚のみ。元月組トップ)、水夏希(東京のみ。元雪組トップ)

この当時は、人材の宝庫だったと驚かされる。
現在は5組(花・月・雪・星・宙)の宝塚だが、当時はまだ4組だった。
(宙組は1998年に新設された。)

東京宝塚劇場公演を通年化するため5組化したが、
人材の宝庫だった当時と違って、現在は次世代スターが薄い感じもする。。。
いっそ、4組に戻してもいいのでは?なんて思ったりするが、無理なんだろうな。

そんな人材の宝庫だった花組公演「ザッツ・レビュー」
豪華絢爛なレビューもあり、初めて見る人でも楽しめる作品になっていると思う。

いかがでしたか?(笑)
今回は、1本物のオリジナル&舞台化作品のランキングをお届けしました~(^^♪

1本物の場合は、レビューが後半10分程度と短く、
レビューが観たい人にとっては、若干損した気分になるかもしれない。

最後のパレードも、劇中の衣装などを着て行われるため、
羽をつけるのはトップスターだけの場合もある。

それでもストーリーを重視した1本物作品は、
心に残ること間違いなし!!

ミュージカルとレビューの2本立て作品と違って、
外れ作品だった場合、拷問のような3時間を過ごすことになるが(笑)
ここに挙げた7作品であれば、大丈夫(*^^)v

あ、でも、再演作品の場合は、演者によって印象が変わるから、
それは注意してね(^_-)-☆

こちらもおすすめ♬
宝塚歌劇団~おすすめオリジナル&舞台化作品2本立てミュージカル7選
宝塚歌劇団~おすすめレビュー12選

後日公開予定(^^♪
「宝塚歌劇団~おすすめ海外ミュージカル5選」

宝塚歌劇団~おすすめ1本物ミュージカル~オリジナル作品&舞台化作品7選” への14件のフィードバック

  1. 宝塚愛溢れる解説、ありがとうございました。とても分かりやすい解説でした(^-^)
    TVで放送されたベルばらだけは放送される度に何度か観ていて「愛〜それは〜♪」から「愛ゆえにぃ人は美しい〜♪」まで今でも歌えます。
    虹のナターシャと銀英伝、宝塚で舞台化されていたんですねぇ。
    特に銀英伝は仰る通り、オスカルとは違うラインハルトらしい髪型がとてもお似合いです。ピンのポスターなので、他の方々に気になるところです。もっとも個人的に私は同盟推しなので、ヤン以外は正直どうでも良い(酷い)のですが(笑)、舞台的にラインハルトやキルヒアイスには美丈夫を配して頂きたいと思います。ミッターマイヤーやロイエンタール、ミュラーやビッテンフェルト辺りも出ていたのなら、さぞかし豪華だったことでしょう。観てみたいなぁと思いました(^-^)

    いいね: 1人

    1. KYOさん、こんにちは(^^♪
      ベルばらの歌は耳に残りますよね!!
      私も観た後は、ずっとCD聞いてました(*^^)v
      そして、歌は作品が変わっても変わらないのがいいです(^^)/

      虹のナターシャ―も銀英伝も原作ファンが多い作品ですよね。
      同盟押しでしたか!!
      宝塚では、ヤン・ウェンリーは当時4番手だった長身の男役・緒月遠麻が演じましたね。
      彼女はラインハルト演じた鳳輝の同期でした。

      キルヒアイスは、鳳輝の次にトップスターになった、朝夏まなとが演じました。
      (マイフェアレディで神田沙也加さんとWキャストだった人です)
      美形だったかどうかは、個人の判断によると思うのですが(笑)彼女のキルヒアイスは良かったです。
      ミッターマイヤーやロイエンタールも出てましたよ~。
      もしよければ↓
      https://kageki.hankyu.co.jp/ginga/cast.html

      いいね

  2. ををを!大作を紹介された大作のブログでした~(^^)/
    バラのジャムを買ってしまったというの、わかるわ~(*^_^*)
    ポーの一族がモチーフになっているというお勧めの1位は、ぜひとも拝見してみたいです!(^^)!
    ご紹介ありがとうございました(^^)/

    いいね: 1人

    1. slecfarmさん、こんにちは(^^♪
      はい、見る人の意向を全く考えない、個人的感想長文記事です(笑)
      「薔薇の封印」は見ていただきたい作品なんですが、テレビで放送するかどうか難しいです。。。
      ただ、先日、2本立てで圧倒的1位にした「桜嵐記」が2月11日にBSプレミアムで放送が決まりました。
      よろしければ(^_-)-☆

      いいね: 1人

  3. 宝塚との付き合いは長いんですね~。ザ・宝塚の本が1冊出来上がるほどです(@_@)
    素人の私からすると「ベルサイユのばら2001-オスカルとアンドレ編」が上位に来ると思ったけど番外編に回るのは予想外でした。しかも<眠くなること間違いなし>とは厳しい評価です。
    楊貴妃の話し。以前、商売をしてかころに中国から大型ミッションが来て、その時にダンサーが10人ほどいて舞台披露をしてくれました。その際に、美人投票をしたのですが日本人が選んだ順位と中国人の選んだ順位が全く違って驚きました。なので楊貴妃を日本人に見せたら案外の結果になるかも知れません?
    お父様も宝塚へ一緒されたのですね。その後の宝塚に対する関心はどうなのでしょうか(*^_^*)

    いいね: 1人

    1. wakasahs15thさん、こんにちは(^^♪
      もっと長くなりそうでしたが、短めにとどまました(笑)

      「ベルサイユのばら2001-オスカルとアンドレ編」は眠くなりませんよ~。
      むしろこの作品は、後半泣けます。。。(´;ω;`)ウゥゥ
      眠くなるのは、この作品以外のベルばらです(^-^;

      ベルばらは、おすすめ作品ではあるのですが、演出が古く舞台転換などもあまりない作品なので、現在の新しい作品と比較すると、どうしても見劣りするんです…。
      でも、「ベルサイユのばら2001-オスカルとアンドレ編」は、素晴らしい作品なので、見て欲しいです(*^^)v

      日本では楊貴妃というと美人の代名詞ですが、中国ですと傾国の美女というか…、そもそもぽっちゃりだったんですよね…。時代かもしれないですが…(^-^;
      中国人だと、ファン・ビンビンが綺麗だなあ~って思います。
      ドラマ「武則天」は圧巻でした!!

      むしろ父親が好きなんです…、宝塚(*^^)v
      宝塚を見に行こうと言い、最初にチケットを買ってきたのも父親でした。
      私が観てない作品でも両親だけで観に行ってるので、観劇回数は圧倒的に違いますね(^.^)

      いいね: 1人

      1. お父様が大ファンでしたか(@_@)tabisurueiyoushiさんの大先輩ですね。
        ベルバラも色々と作品があるんですね~。「ベルサイユのばら2001-オスカルとアンドレ編」は機会があれば観ます。
        「武則天」は家内が良く観てました。ファン・ビンビンは最近、大脱税で報道を賑わした人ですね。ググったら確かに美人でした(*^_^*)

        いいね: 1人

  4. (‘-’*)オハヨ♪ございます。
    宝塚の事をよくご存じで細かく見ておられるのが良く分かりました。素人の私からすればどれ見ても同じようなもんじゃんって感覚にになってしまうのですが、見る方が見るとそれぞれに多くの違いや特徴があるんですね!
    この世界で生き残り名を残す事の大変さが伝わってきました。

    いいね: 1人

    1. saganhamaさん、こんにちは(^^♪
      作品が同じだったとしても、演者や演出によってだいぶ変わりますね~。
      衣装も変わったりしますし、新演出がいいこともあれば、良くないこともあり…(^-^;
      観る人を飽きさせないというのも、続いた理由なのかもしれないですね(^^)/

      いいね: 1人

  5. 虹のナターシャもあったんですか?!私、大和和紀の大ファンで(とはいっても最近の作品は読めてないですがね)、虹のナターシャはまだ知ってます!(^^)! ベルばらはやっぱりクラシックですね~☆彡 池田理代子の「オルフェウスの窓」とかも、宝塚の作品としてマッチするんじゃないでしょうかね(と、勝手に思ってます)。あと、ロバートキャパのお話が上演されてたのですか?色々あるんですね~!!私はロバートキャパの写真が好きです(#^^#)

    いいね: 1人

    1. 私も大和和紀好きです!!
      といっても、読んだのは「あさきゆめみし」だけですが…(^-^;

      「あさきゆめみし」も上演されてます。
      ただ、あのなが~い作品をまとめてるので、さらっとあっさり、さらに「刻の霊」というオリジナルキャストも出てきて不思議な作品です(笑)

      ベルばらは、クラッシックですね~。
      バレエでいうと、「白鳥の湖」のような感じだと思ってます。
      みんな観たがるけど、実は「ドン・キホーテ」のが面白い!みたいな…(^-^;

      「オルフェウスの窓」調べてみたら、1983年に星組で舞台化されてました!!
      やはり、宝塚向きの作品だったんですね(^^)/

      ロバートキャパをモチーフにした作品は良かったですが、ロバートキャパの作品は良くなかったですね…。
      演出が変われば、またよくなる?かも??

      いいね

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中